VDTガイドライン
VDT作業には種類があり作業時間によって区分されることをVDT作業区分と特徴で説明いたしました。こうした区分は「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(H14・04・05)によって定められたものです。「新」というからには当然「旧」もあって、それは1985年に作成されたものでした。
IT化が急速に進んだ結果実態とずれがでてきたり(VDT機器の多様化など)、VDT作業従事者の増加と同時に精神・身体的疲労(VDT症候群)を訴える人間も当然(分母が増えたのだから)増加するなどの問題が多く見られるようになってきました。そこで「新VDT作業ガイドライン」が策定されました。
VDT作業時間と健康
もう一度復習しますがVDT作業は、まず作業の種類で6つに分けられ、次に何時間作業にかかわっているかによって「A・B・C]の3段階で区分されます。
VDT作業区分は(単純入型・拘束型の場合)
- A. 1日4時間以上
- B. 1日2時間以上4時間未満
- C. 1日2時間未満
の3段階となります。
VDT作業区分は(対話型・監視型・技術型・その他の型の場合は)
- B. 1日4時間以上
- C. 1日4時間未満
の2段階となります。
当然VDT作業時間が短いほう影響が少ないので、仕事内容が「C」よりも「B」のほうが疲労度が高く区分「A」が最も疲れるVDT作業と言えます。
VDT作業が単純で拘束が強いほど健康に影響
「新VDT作業ガイドライン」では「対話型・監視型・技術型・その他の型」のVDT作業区分は「B」または「C」しかなく「単純入力型・拘束型」のVDT作業は「A」「B」「C」の3段階に区分されています。
つまり「単純入力型・拘束型」のVDT作業が「B](1日2時間以上4時間未満)は「対話型・監視型・技術型・その他の型」のVDT作業区分「B」(1日4時間以上)に匹敵するほど疲れる危険性がある作業なのです。何の対策も採らなければVDT症候群となる可能性が2倍であると言っていいでしょう。
では何故「単純入力型・拘束型」のVDT作業はより身体・精神的疲労が蓄積するのでしょうか?
実は今の質問自体がそののまま「答え」になってしまうのですが、VDT症候群の原因はただ単にVDT機器を使用しているからということよりも、身体的・精神的に「拘束される」VDT作業によるからなのです。
身体的に「拘束される」VDT作業というのは、ディスプレイを見ながらキーボードとマウスを操る状態が固定されているということです。動き回ることによる疲れではなく姿勢を維持することによる疲れ(静的筋肉疲労)が蓄積されます。極端な例でいえば「空気イス」は全く動いていなくても足腰がとても疲れますよね? VDT作業ではイスに座っての作業なので足腰は支えられているのであまり疲れないと思いますが、腕が(イスにひじ掛けなどがなく)宙に浮いている場合は、腕が「空気イス」のような状態ですから即座に腕につながりのある肩や首のこりや痛みにつながります。
精神的に「拘束される」VDT作業というのは、VDT作業そのものが単調で退屈である場合(変化がなくいつも同じと感じられる場合)や決められた期限に大量の情報処理を要求される場合などが挙げられます。自分で考えることが求められず変化が無い状態や過大な入力ノルマなどは精神的なプレッシャーがかかり精神的な疲労の蓄積につながります。またVDT作業が単調であればあるほど精神的な疲労感はより高まります。
VDT健康診断
VDT健康診断はVDT作業を
- 新たに行うものに対する「配置前健康診断」
- 作業従事後に(年1回)行う「定期健康診断」
に分けられます。
「配置前健康診断」ではVDT作業前の健康状態を把握し、無理の無いVDT作業量の自覚や従事後の健康管理に活かします。「定期健康診断」ではVDT作業による疲労(VDT症候群の兆候)チェックを行うことで健康管理に役立てます。
VDT健康診断においての検査項目はVDT作業従事者の自覚症状により項目が追加されたりしますが、問診・診察と視力検査(視力測定と近視・乱視・遠視等の屈折検査)が行われます。VDT作業は「眼」を酷使するので、場合によれば眼精疲労にいたることもあります。
特に作業区分が「A」や「B」の方で肩や首のこりや痛みを感じている場合(自覚症状がある場合)は医師に相談し「筋・骨格系」の検査を追加してもらいましょう。